けんちゃんです
今回は利上げ期に株で利益を上げる3つの投資法について書かせてもらいます。
初心者で良く分からないけど辿り着いた人もいると思うので解説しながら書いていきます。
利上げとは
まずは知ってると思いますが利上げとは中央銀行が政策金利を上げることを一般的に呼ばれることが多いです。
中央銀行は日本だと日本銀行、略で日銀と呼ばれることが多いです。アメリカだとFRB(米連邦準備理事会)ですね。
実際に政策金利を決める際は日本銀行の日銀金融政策決定会合で政策金利を決めます。
米国だとFRBのFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を決めます。
そういった流れで実際に政策金利を決めてくのですが実際に金利を上げるのが下げるのかには色々な状況があります。
1,利上げになりやすい状況
基本的には景気が良かったり、インフレ率が高い、もしくは今後の期待インフレ率が高いと利上げ
2,利下げor金利の維持になりやすい状況
景気が悪かったり、インフレ率が低い、もしくは今後の期待インフレ率が低いと利下げ、もしくは政策金利を維持状態になります。
利上げによる株価の影響
実際に利上げは基本的には景気加熱の抑制や高インフレの防止に使われるため、基本的には株への下げ要因になります。
特に生活必需品や高配当株は売られやすいです。
↓は2004年から2006年の利上げ期の生活必需品セクターのXLP ETFと米国株の99.5%に投資できる全米株式のVTI ETFの配当再投資後の年間リターン
2004年から2006年 | 生活必需品のXLP | 全米株式のVTI |
年間平均リターン | +8.22% | +11.53% |
最大ドローダウン | -5.81% | -4.48% |
シャープ・レシオ | 0.77 | 1.06 |
チャートだとそんな差はないように思えますが年間平均リターンで表すと毎年3.3%ほどの差がついてるのが分かると思います。また最大ドローダウンは生活必需品のXLPが-5.81%と全米株式のVTIの-4.48%よりも下がってるのが分かると思います。こうしたことから利上げ期は生活必需品は年間リターンがVTIに負けやすく下げやすいことが分かります。シャープ・レシオもVTIの方が高いことから効率的に運用できてるのが分かります。
2015年から2018年の利上げ期の生活必需品のVDC ETFと高配当ETFのHDVと全米株式のVTI ETFの配当再投資後の年間リターン
2015年から2018年 | 生活必需品のVDC | 高配当のHDV | 全米株式のVTI |
年間平均リターン | +3.83% | +6.66% | +9.88% |
マックスドローダウン | -11.42% | -8.05% | -8.84% |
シャープ・レシオ | 0.37 | 0.68 | 0.91 |
やはり、こちらもVTIに年間平均リターンではVTIに負けてますね。マックスドローダウンも生活必需品の方が高くリスクが高いと言えます。高配当のHDVはVTIにマックスドローダウンは若干勝っていますね。シャープ・レシオはダントツでVTIが良いですね。やはり利上げが続く限り生活必需品や高配当は全体の指数のVTIに負けやすいと言えます。
では実際にどういった銘柄がアウトパフォームしやすいのか?をあげていきます
●関連記事:利上げ加速観測でまたリーマンショック級の大暴落が来てしまうのか!?
1,金融セクターに投資をする
なぜ、金融セクターなのかといいますとこちらのXLF・VFH・IXG・金融株ETF比較【利上げに強い】の記事に詳しく書きましたが利上げで金利が上がっていくと銀行株などは利ざやで儲けが増えるためです。
また過去の利上げ局面でほとんどでアウトパフォームしているので利上げトレンドに乗る場合は金融セクターのETFや個別株を利用すると良いかもしれません。
近年の成績も利上げが始まった2015年から今年の2018年までベンチマークのS&P500をアウトパフォームしており利上げに強いのが健在なのが分かります。
2015年から2018年の利上げ期の配当再投資後の金融セクターETFのVFHとS&P500の動き
2015年から2018年 | 金融セクターのVFH | S&P500のVOO |
年間平均リターン | +12.41% | +10.06% |
マックスドローダウン | -14.30% | -8.45% |
シャープ・レシオ | 0.84 | 0.94 |
こちらのチャートだと若干勝ってるだけに見えますが3年間の年間平均リターンは金融セクターの小型株から大型株まで含んだVFH ETFが12.41%でS&P500は10.06%ですので結構な差です。マックスドローダウンやシャープ・レシオを見ると安定感だとセクターの分散が効いてるS&P500の方がありそうですね。
続きまして
2004年から2006年の利上げ期の配当再投資後の金融セクターETFのXLFとS&P500の動き
2004年から2006年 | 金融セクターのXLF | S&P500のIVV |
年間平均リターン | +11.86% | +10.44% |
マックスドローダウン | -6.51% | -3.78% |
シャープ・レシオ | 1.05 | 1.04 |
こちらも若干上回ってるように見えますが年間平均リターンだと大型金融株のXLF ETFが年率11.86%でS&P500が10.30%です。やはりこちらも上回ってるのが分かると思います。こちらの場合は全体の金融セクターの株に投資できるVFH ETFがまだない時代ですのでVFHでしたらもう少し利回りが良さそうです。また、こちらも値動きの安定感自体はS&P500の方がありそうです。ただシャープ・レシオが若干XLFの方が優れているので攻守のバランスはXLFの良いようです。
2,NASDAQ100に投資をする
60%以上が情報技術セクターが多く基本的には新興企業が多めの指数。2000年のITバブル時代と違い借金なども少ないため利上げの影響が少なく、また当時と違い金利の影響を跳ね除けるような利益成長性があるため、S&P500をアウトパフォームしやすい。
2015年から2018年の利上げ期の配当再投資後のNASDAQ100のQQQ ETFとS&P500のVOO ETFの動き
2015年から2018年 | NASDAQのQQQ | S&P500のVOO |
年間平均リターン | +15.35% | +10.06% |
マックスドローダウン | -9.82% | -8.45% |
シャープ・レシオ | 1.07 | 0.94 |
NASDAQの年間平均リターンは15.35%でS&P500は10.06%と大きくベンチマークをアウトパフォームしてるのが分かりますね。2016年の途中からNASDAQがアウトパフォームの幅が広がって徐々に広がってくのが分かりますね。
NASDAQの値動きはITよりとはいえ指数で色々なセクターが入っているため意外と安定していますのが分かります。それでもやはりマックスドローダウンを見るとS&P500の方が安定してると言えます。
ただシャープ・レシオを見てるとこの期間はQQQの方が高いので程よいリターンとリスクで効率的に稼いでると言えます。
しかし、過去の2004年から2006年を見てみると様子が変わってきます。
2004年から2006年の利上げ期の配当再投資後のNASDAQ100のQQQ ETFとS&P500のIVV ETFの動き
2004年から2006年 | NASDAQ | S&P500 |
年間平均リターン | +6.35% | +10.44% |
マックスドローダウン | -12.37% | -3.78% |
シャープ・レシオ | 0.29 | 1.04 |
2000年から2003年のITバブルからの同時多発テロのダメージが抜けきれないのかS&P500に負けてしまって大きくアンダーパフォームをしております。それだけダメージが大きかったということですね。当時のNASDAQはPER100倍を超えており大暴落が起きました。今となっては信じられませんよね汗
ただ今はNASDAQの銘柄の殆どは株価と利益が伴った企業が多いので昔のようなことは起こりにくくなってると言えるかもしれません。
3,グロース株に投資をする
利上げの下げ圧力を成長性がある株に投資をしてアウトパフォームを狙う方法です。
過去の歴史を見ても利上げ期にアウトパフォームをしやすいようです。
ちなみにバリューとグロースを合わせるとほぼS&P500と同じ動きになります笑
ETFは大型グロースETFのMGKとグロースETFのVUGとS&P500の中からグロースを選ぶETFのVOOGとS&P500のVOOから作りました。
2015年から2018年の利上げ期の配当再投資後のグロースETFのMGKとVUGとVOOGとS&P500のVOO ETFの動き
グロースと言ったら激しい動きのイメージですが意外と安定感があります。今までの金融ETFやNASDAQよりもさらにセクターが分散されているためだと思われます。2016年はグロースはS&P500に負けてますがその前の年の2015年で上回ってるので引き分けってところでしょうか?
チャートだとほぼS&P500と重なって動いておりますが年間リターンはグロースETFが上回ってます。下が年間リターンとマックスドローダウンです。
MGK | VUG | VOOG | S&P500 | |
年間平均リターン | +11.81% | +11.12% | +12.07% | +9.94% |
マックスドローダウン | -9.10% | -9.25% | -8.28% | -8.38% |
シャープ・レシオ | 0.98 | 0.93 | 1.05 | 0.92 |
利上げ期だとグロース系のETFの方がリターンが高いのは大体分かりますがマックスドローダウンが僅かですがS&P500より下げてなく数字でも安定感が分かります。またシャープ・レシオもそれを表しており利上げ期のグロースの強さが出ております。
●おすすめ記事:株の暴落時の下落リスクを限定的にする3つの方法
まとめ
色々な利上げ期に強いと言われているETFを紹介してきましたが意外と安定性があったりして驚きました。ただ悪魔でも過去の傾向やデータですので基本的には株の素人が投資する際に知らないと損する4つのことでも書きましたがS&P500や世界株式のVTを中心に据えて悪魔でもアウトパフォームを狙うエッセンスとして限定的に組み込むことをおすすめします。
少しでも参考になりましたら
応援クリックをお願いします
記事作成の励みになります